産油国の経済危機の理由

 

石油を取り出すのに、エネルギーがかかれば、それだけコストがかかることになる。すなわち、儲けが少なくなることである。儲けを確保するために、原油コストを上げることも考えられるが、市場原理で今はそれができない。市場原理を支配するのは、代替品、シェールオイルシェールガスハイブリッド車などである。
いま、ベネズエラ等の原油国は、深刻な経済危機に直面している。

日本の経済の繁栄は、日本人の働く意欲と良好な政治のおかげである。経済大国、中国は次第に傾きつつある。豊かな欧州、米国に比べても、日本は好景気の中にある。これを続けることである。このためには、将来を予測し、リスクに備えるべきである。イデオロギーの政治は日本を危うくする。
(参考)
石油の自分の圧力で取り出すことを一次回収という。1の投入エネルギーで100の石油を取り出すことができる。
自分の圧力が無くなると、周囲から川の水や海水を注入し、圧力を高めて取り出す。これを二次回収という。1の投入エネルギーで10の石油を取り出すことができる。
これで、石油の液体としてのサラサラ成分は終わりである。残るのは、ドロドロ成分や砂岩や泥岩の隙間にこびりついた石油である。これを三次回収という。1の投入エネルギーで5以下の石油を取り出すことができる。すなわち、三次回収になると、産油国のもうけが少なくなる。
現在の油田の大半は二次回収の後半部分であり、一部三次回収のシェール石油が使われている。
日本は、国の儲けの確保から、イデオロギーでエネルギーを選ぶのではなく、将来のエネルギーの見通しからエネルギーを選ぶべきである。使えるエネルギーはコストの観点も含めて、決め打ちせずに使うべきである。それがリスクへの備えである。